アウトドアコラム●蚊取り線香

頼もしい「日本の渦巻」


夏にはアウトドアはもちろん家でも悩まされるのが「蚊」。刺されたあとの不快な痒みや腫れはもちろん、枕元をかすめる「プーン」という羽音も気になって眠れません。そんなとき、頼りになるのが蚊取り線香です。



 蚊はカユみと羽音だけでなく、病原体を媒介する恐ろしい虫。日本が誇る偉大な発明「モスキートコイル」は、世界各地でも大活躍です。もう、これさえあればこっちのもの!

吸血鬼をやっつけろ!

蚊の対策には防虫スプレーや虫除けアロマオイルなどもありますが、蚊取り線香は虫除けではなく殺虫剤。飛んで来た蚊に殺虫作用でカウンターパンチを浴びせます。スプレー式の殺虫剤ほど強力ではありませんが、そのぶん有害な毒を撒き散らすこともなく、電源も不要でコンパクト。普通サイズで約7時間、静かに吸血鬼をやっつけ続けます。

煙は「仕事中」のしるし

蚊取り線香はもともと、シロバナムシヨケギクという花に含まれている殺虫成分を線香の材料に練り込んだもの。現在は、その殺虫成分を化学的に合成したもので作られているのが主流です。煙に殺虫効果があると思われがちですが、線香に練り込まれている殺虫成分が熱せられて揮発するので目には見えません。立ち上る煙は「オン」か「オフ」かの目印のようなもの。煙が苦手な人は煙が少ないタイプをどうぞ。

小さくても「火気」です

アウトドア用には、腰にぶら下げて持ち歩ける器具もあり便利です。また、サイトで食事をとるときなど、結界を張るように四方に置けばバリアに。風のあるときは風上に置きましょう。線香の火とはいえ火には変わりないので要注意です。とくに、専用皿を使わずむき出しで使う場合は慎重に。

蚊取り線香で痒み止め?

蚊を退治する蚊取り線香ですが、運悪く蚊に刺された時は痒み止めとして使う裏技も。棒灸の要領で患部に蚊取り線香の火を近づけ、ガマンできないぐらい熱くなると離す、を数回繰り返します。アツ痛いのと痒いのが混ざっていき、いつの間にか痒みが治まります。
  ただし、絶対に患部に接触当ててはいけませんし、他人がやってもいけません。「アツッ!」の感覚は自分でしか分からないので、必ず自分でやること。なので、刺された患部が見えて手が届く場所のみに限ります。また、肌の弱い人も止めておきましょう。
  ゆらゆらと立ち上る煙は癒し効果も抜群。どこか懐かしさが漂う香りはまさに「日本の夏」。夏のアウトドアでは必須のアイテムです。

(了)

文:福信行(フードノベリスト/組立通信)
※このコラムは情報誌に掲載したものです。