アウトドアコラム●使い捨てカイロ


「100円カイロ」も今は昔

エコロジーを連想するアウトドアに「使い捨て」は不似合いですが、冬のフィールドで使い捨てカイロは欠かせないアイテムです。使い捨てカイ口は、鉄が酸化する時に発生する熱を利用したもので、原理そのものは古くから知られているものでした。それまではベンジンを触媒反応で酸化発熱させる繰り返し使うタイプのカイ口が主流でしたが、1978年に使い捨てカイロが登場すると爆発的なヒットとなり、一気にカイロの主役が交代しました。発売当初は1回分のレギュラーサイズが100円だったことから「100円カイロ」とも呼ばれ、外袋から取り出しモミモミしていたものでした。今は市価も下がってサイスもいろいろ。モミモミする手間もなくなりました。

低温やけどに要注意!

20年ほど前、この使い捨てカイロに「貼るタイプ」が登場し、腰や肩、背中、足先などあちこちにペタペタと貼れるようになりました。温めたい部位にピンポイントで暖を与えてくれますが、くれぐれも肌に直接貼 らないように。また、同じ箇所に長時間貼りっぱなしも要注意。カイロを貼ったままシュラフに潜り込んでしまうのはもってのほか。気づかないうちに低温やけどになってしまいます。アウトドアの防寒は、あくまでも重ね着のレイヤードが基本。カイロは補助的なものと考えましょう。

旧来のカイロはエコで注目

使い捨てカイ口は、ミニサイズでも6-8時間、レギュラーサイズなら12-14時間も暖かさが持続します。長時間ポカポカなのはありがたいですが、長時間過ぎてムダになることも。そんな時の裏ワザ。使い捨てカイロは、中身の鉄粉が酸化することで発熱するので、酸素を遮断してやれば発熱も止まります。使いかけのカイロをラップでピッタリ包み、空気に触れないように密閉すれば、次の日も使用可能に。ただし、12時間分のを6時間使って止めたとしても、次の日に使えるのは残り時間の半分の3時間ほど。また、発熱の温度も新品より劣ります。

  今は使い捨てカイロが全盛ですが、使用後は単なるゴミでしかありません。一方、旧来の触媒タイプのカイ口は繰り返し使えるエコアイテムで、氷点下以下の極寒でも威力を発揮するスグレモノ。環境に敏感な人たちの間で見直され、ジワジワと復権。レトロっぽさなところも人気のようです。

(了)

文:福信行(フードノベリスト/組立通信)
※このコラムは情報誌に掲載したものです。