アウトドアコラム●ラード


液漏れせずに扱い楽ちん

  アウトドア料理で、その取り扱いや持ち運びに意外と難渋するのがクッキングオイルです。しっかりフタを閉めたつもりでも、いつの間にか液漏れしてベトベトに……。一緒に詰めていた荷物やザックを油まみれにした経験はないでしょうか? そんなことから、アウトドア用にスプレー式のクッキングオイルを使うキャンパーも少なくありません。けれど、ソロキャンプがメインの私にとってはちょっと仰々しく、持て余してしまいます。そこで、オススメするがチューブ入りの「ラード」です。

常温なら固めのクリーム状で、キャップもしっかり閉まるので液漏れの心配はありません。また、スプレー式のように噴射させないので飛散も防げます。料理好きなキャン パーには、ぜひともお試しいただきたい一品です。

脂のコクで旨さもアップ!

ラードは豚の脂を精製したもの。炒め物はシャキッと仕上がり、揚げものもカラッと揚がると料理人も愛用しています。とくに洋食や中華では「ラードでなければダメ」という人が圧倒的。カツやフライは香ばしく、チャーハンや野菜炒めもサラッと決まります。ラーメンに垂らせば味わいが濃くなる上に冷めにくく、ギョウザやシューマイ、ハンバーグの具に練り込めばジューシーな脂がほとばしります。
  野外で、そんな凝った料理をしなくても、単にパンに塗って焼くだけでも十分に美味しく、炊きたてご飯にラードと醤油を垂らした「台湾風の猫まんま」もクセになる味わいです。

アウトドアならではの裏技も

ラードは植物性オイルに比べれば高カロリー。気になる人は控えめにしたいものですが、卜レッキングや自転車ツーリングなど、体力を使うアウトドアにはエネルギーの補助に役立ちます。秋冬のキャンプでは料理を冷めにくくすると同時に体も冷めにくくしてくれるので、遭難など「もしもの時」は命を繋いでくれるかも知れません。
  また、アウトドアならではの裏技として面白いのが「ラードキャンドル」。コヨリや細紐を芯に溶かしたラードを流し込み、冷やし固めてロウソクのように使います。キャ ンプで、キャンドルを忘れたり切らした時は、代用にいかがでしょうか。

(了)

文:福信行(フードノベリスト/組立通信)
 ※このコラムは情報誌に掲載したものです。