声のはなし/4●ヴォイトレは筋トレだ

話すにも読むにも歌うにも、
声で表現をするには、筋力がいる。
声を出す筋肉を鍛えていないのに、
がんばって力でしゃべると
「青年の主張」になってしまう。

緊張すると声は上ずって細くなるが、
力が入ると身体が縮んで固くなり、
首と喉が締まるので声は硬くなる。
だからヴォイストレーニングは経験上、
怖い人に習うと上達しない。


ぷらぷら、のびのびリラックスした状態を作るため、
「身体の力をゆるゆると抜く」レッスンがあった。
リラックスすると副交感神経が活発になるので、
練習中に眠くなるぐらいの状態が最高という。

だがヴォイストレーニングは「筋トレ」でもある。
筋肉を「使って」「鍛える」のが目的なので
上唇や頬や鼻周りや
額や眉や頭の細かい筋肉を思いっきり使う。
ものまね中のコロッケさんみたいに。

筋肉を「思いっきり」「のびのび」使うために、
力はいれない。

筋肉といえば運動器官の代表だけれど、
ほぼ全身が筋肉のタコやイカが
「力いっぱい」泳いでいる姿は想像できないし、
タイやヒラメも筋肉だが
彼らが力を込める時といえば、
釣りあげられて必死で抵抗するか
襲いかかるか、襲われる時だろう。

貝柱も筋肉だが、
二枚貝が硬く硬く貝が閉じようとする時、
それは、こじ開けようとする敵から
必死で身を守っている時である。

魚や鳥のように「しなやかで強い筋肉」を
身体に巻くのが、響く声の支えとなるのだ。