料理写真撮影のコツ|メインは一皿に|フード写真のライティング4つのポイント

料理の写真を撮る時も撮られる時も、メインは一皿に、メニューは引き算で

料理を撮影するならメイン料理をドカンと一発!

情報誌などの取材で料理写真を撮るとき、お店側が「ここぞアピールするチャンス」とばかりに、あれも載せて、これも載せてと何品も料理を供してこられる場合があります。しかし、誌面には限りがあります。掲載できる写真の点数も多くありません。「たくさん載せて欲しい」という思いはわからないでもないですが、それではかえって逆効果になります。小さい写真がちまちまあるより、パンチの効いたメインをドカンと一発、という写真の方が目を惹き印象に残りやすいものです。

インスタの真俯瞰での撮影写真は「記録写真」

コース料理となると、オードブル、スープ、ポワソン、ソルベ、アントレと次々とやってきます。実際に食べるときはそれぞれ一皿ずつですが、これを「オンパレード」で撮ると全く冴えません。旅館のパンフレットによくある「会席御膳」みたいに、やたら品数が多い写真がそうです。一見きらびやかで華やかに見えるけど、数が増える分だけインパクトがなくなってしまうのです。コース料理の場合、メインディッシュを一つ決めて、あとの料理はピントをぼかして「何となく後ろに写ってる」ぐらいで良いと思います。

インスタグラムでよく見る、真俯瞰から撮った「わが家の今夜の食卓」の写真もある意味同様です。テーブルにたくさんの料理が並べられて賑やかです。しかも、真俯瞰で撮るのでどれにもピントが合っているので、それぞれの料理がみんな主張しています。ボケがないので暑苦しい写真になります。真俯瞰の写真は、「記録」にはなっても「映え」はないように思います。料理写真は強弱があった方が美味しそうに感じられます。



誰でも簡単に、美味しそうな料理写真が撮れるライティングのコツ

インスタグラムで毎日のように見かけるお弁当や食卓の投稿。盛り付けはもちろん、写真のライティングも「すごい!」と感心する作品もあってプロも顔負けです。でも、フード写真のライティングには定跡のようなポイントがあります。そのポイントさえ押さえておけば、誰でも簡単に美味しそうな写真が撮れます。
カメラはスマホでもコンパクトカメラでもOK。一眼レフカメラならなおグッド。ご家庭で撮るフード写真のライティングのポイントをご紹介させていただきます。

POINT 1
影は一つ。ライトは1灯で撮るべし

料理写真に限ったことではありませんが、まずは基本中の基本となる照明は「1灯ライティング」です。プロのカメラマンは幾つものライトを操って撮っているイメージがありますが、ライトを何灯使おうが「影は一つ」。これは、太陽が一つであるのと同じく影も一つなのが自然に見えるからです。

ご家庭で料理の写真を撮る場合、日中なら部屋の灯りはすべて消して窓辺で撮りましょう。また、それが夜なら、テーブルの上の灯りだけにして、なるべく他の部屋からの灯りや窓から入る街灯、テレビからの光も入らないようにします。
このとき、カメラに「ホワイトバランス」を調整する機能があるなら調整します。そんな機能がないカメラは、たぶんカメラが自動調整して撮っているので無用です。それでも、赤っぽくや青っぽく、緑っぽく写るようだったら後で色補正しましょう。


POINT 2
逆光、または半逆光で撮るべし

「順光」とか「逆光」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
被写体(この場合は料理)に向いて自分の背中側から当たる光を順光、前から当たる光を逆光、前と横の中間ぐらいから当たるのを半逆光といいます。
これも料理写真に限ったことではないのですが、とくに料理写真の場合は、逆光か半逆光で撮るのが美味しそうな写真の大きなポイントです。

試しに、手近にある料理雑誌やインスタの料理写真でも見てみて下さい。「美味しそう」に写ってる写真は「影が手前」にきているはず。つまり、逆光か半逆光で撮っている写真です。
料理写真でカメラに付いているストロボ機能を使うのは絶対にNGです。ストロボがオートで発光するモードになっていたら、必ず切っておきましょう。
なお、<ポイント1>で(…夜なら、テーブルの上の灯りだけにして…)と書きましたが、テーブルは灯りの真下ではなく、料理や器の影が手前にくる位置にズラしてください。


POINT 3
窓辺にテーブルをセットして撮るべし

照明にはざっくりと、「点光源」と「面光源」の2つがあります。点光源は晴天の太陽のイメージで、面光源は曇り空です。ご家庭の照明だと裸電球の灯りが「点光源」、天井のシーリングライトが「面光源」ということになります。

同じ明るさとしても、点光源は影が強くパキッとした印象の写真に、面光源ではふんわり柔らかな印象の写真になります。アウトドア料理や激辛料理などコントラストを強調した方が面白いときは点光源でもアリですが、一般的に料理写真には柔らかい光と影の面光源をおすすめします。
ご家庭で日中に撮るなら、直接に陽が差し込まない明るい窓辺にテーブルをセットして撮るのはいかがでしょうか?


POINT 4
レフ板で光を返すべし

これは<ポイント2>に関係するのですが、逆光や半逆光では、影は手前に流れます。それはそれでいいのですが、光が強い場合は前からも光を当てて柔らかく調整してやるといいでしょう。
光を当てると言っても<ポイント1>で述べたように基本は1灯です。なので光逆や半逆光からの光を「レフ板」を使って返してやります。

レフ板をご存知ない方は何やら怪しげなものように思われるかもしれませんが、よく、テレビや写真の撮影で、アシスタントさんが持っている白い板のアレです。逆光撮影での光の補助のほか、俳優さんやモデルさんの表情を明るくしたり顔のシワを目立たなくするわけです。

レフ板は写真の機材として売られていますが、わざわざ購入する必要はありません。単なる「白い板」だと思って下さい。段ボールに白い紙を貼ったのでも良いし、発泡スチロールでも、ノートを開いて立たせるのでもかまいません。プロのカメラマンでもそうやって使ったりしますので、手近なものを使って問題なしです。
レフ板の使い方は、普通、立てて置くだけです。料理に当たっている逆光や半逆光の光を受けて、手前に流れている影を柔らかくしてやります。

レフ板の大小は、被写体の大小にも関係します。コースのパーティー料理をドドンと並べて撮るなら襖ぐらいの大きなレフ板が必要でしょうし、カップのアイス一つを撮るぐらいならB5判のノートでもあれば十分です。そこは臨機応変に。
また、レフ板が大きければたくさん光を返しますし、近づけると強く返します。その加減はお好みで。ただ、返しすぎると年齢の割にシワのない女優のように不自然になってしまうのでそこそこに。

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インスタグラムの料理写真は、華やかな盛り付けや食器、「デコ弁」「キャラ弁」と言われるお弁当ではアイデアに目が行きがちですが、それを美味しそうに撮れるかどうかはライティングで決まります。せっかく腕を振るって作った料理なので、キレイに撮って投稿したいですね。