料理写真のメインは一つに、撮影するときは引き算で

情報誌などの取材で料理写真を撮るとき、「ここぞアピールするチャンス」とばかりに、あれもこれもと何品も料理を供してくる店がある。しかし、誌面には限りがある。掲載できる写真の点数も多くはない。「たくさん載せて欲しい」という思いはわからないでもないが、それではかえって逆効果。パンチの効いたメインをドドンと一品、という写真の方が目を惹くのだ。

とりわけコース料理となると、オードブル、スープ、ポワソン、ソルベ、アントレと次々とやってくる。実際に食べるときはそれぞれ一皿ずつだけれど、これを「オンパレード」で撮ると、旅館のパンフレットによくある夕食写真のように、なんのインパクトもなくなってしまう。メインディッシュを一つ決めて、あとの料理はピントをぼかして「何となく後ろに写ってる」ぐらいがいい。
インスタグラムでよく見る、真俯瞰から撮った「今夜の食卓」の写真も同じである。「記録」にはなっても、「インスタ映え」はしない。料理写真は引き算がいい。

 ※( 文 / 福 信行 )