妄想執筆 荒らしてみたいアンデルセン「絵のない絵本」第十六夜

アンデルセンの「絵のない絵本」第十六夜は、
こんな話である。

道化の男が女に恋をする。
その女は別の男と結婚し、
そして死んでしまう。
ある夜、道化師は女の墓でひとり泣く。


いい話だ。
けれど、男性が書いたからか、なんだか甘い。

林真理子さんや中園ミホさんなら、
その女を道化師と結婚させるにちがいない。

妄想して書いてみた。

道化が恋した女は
道化の親友と恋愛をしていた。(ここまで同じ)

でも女はついに振り向き、自分のものになる。
道化は幸せの絶頂を味わう。
でもすぐに女は死んでしまう。
男は半狂乱になって事故にあい、
女の墓に行くことさえ叶わない体になってしまう。

お話なのだから、
幸せにして突き落とす「えげつなさ」を足したくなる。
世界中で大ヒットした英国貴族一族のテレビドラマ
『ダウントン・アビー』では
大悲劇の寸前にメアリーが男児を出産する。
この上ない幸せの象徴のように、夫婦と一族が
喜びをかみしめるシーンが長く挟まれているように。

主役をひどい目に合わせるのは、
お話を作る作者の特権なのかもしれない。

 ※( 文 / 真柴 マキ )