交響曲になったアンデルセン「絵のない絵本」第二十八夜

アンデルセンの「絵のない絵本」第二十八夜は
白鳥の話である。

アンデルセン 白鳥のイラスト /組立通信

越冬のために空を飛んで移動する渡り鳥の群れから
いつしか遅れてひとり飛ぶ、力尽きそうな白鳥。

「白鳥」「いたいけな姿」「醜いアヒル」…とくれば
自分大好きアンデルセン!
声で表現をするワークショップの中で、
本で読んだ文章を頭の中で映像にしてから
声にして読む、というトレーニングを体験した。
このお話で映像を妄想していると
なぜアンデルセンがこの本に
「絵のない絵本」というタイトルをつけたのかが
わかるような気がしてくる。

全てのお話が、絵本というか、映像なのだ。
お話を執筆しているとき、
アンデルセンの頭の中には
映画のように映像が浮かんでいたに違いない。

この二十八夜の白鳥をモデルに作られた曲が。
チェコの作曲家ノヴァークの交響曲、
「永遠のあこがれ(Eternal Longing)」である。

リンク:ヴィチェスラフ・ノヴァーク「永遠のあこがれ(Eternal Longing)」

自分がイメージできていないものは
書けないし、読めないし、歌えないし、演奏できない。

この交響曲「永遠のあこがれ」を聴いていると、
アンデルセンとノヴァークと自分に
同じ映像が観えている感じがする。

この白鳥、瀕死ではあるが、
傷つくことはなく、無事に飛んでいく。
自らを主役にしたお話だから。
ひどい目に合わせられないのだろう。
アンデルセンもノヴァークも、きっと自分大好きなんだろう、
性格まで妄想してしまった。

 ※( 文 / 真柴 マキ )