面白いドラマ型ラジオCM イマジネーションをくすぐる20秒の世界

ドラマ型ラジオCMが面白い

人間の五感のうち、約10%は聴覚が占めるといわれている。この聴覚に訴えるメディアが「ラジオ」だ。ラジオはテレビや動画と違い、視覚を奪われないので「車を運転しながら」「作業をしながら」「料理をしながら」聴いてもらえるので「ながらメディア」とも呼ばれている。

パーソナリティーのおしゃべりや音楽、エリア情報といったコンテンツもいいが、ラジオから流れてくるCM、中でもドラマ型CMが面白い。



心に引っ掛かる「ドラマ型」

ラジオCMにも色んな種類があって、売りたい商品の名前やサービスを何度も呼びかける「連呼型」、主に歌と音楽で構成される「コマーシャルソング型」、企業の姿勢や理念を訴える「ダイレクト訴求型」、イベントや期間限定セールなどを知らせる「告知型」など、いろいろなパターンがある。それぞれに役割や目的は異なるが、リスナーの心に引っ掛かるのはなんといっても「ドラマ型」だろう。


まず、シーンを思い浮かべてもらう

ドラマ型のラジオCMは、リスナーのイマジネーションをくすぐりながら商品やサービスを印象づける。まずは「何だ?」とリスナーの興味を喚起し、頭の中でシーンを浮かべてもらう。そして登場人物の会話が転がったりぶつかったりしながら商品やサービスの特徴を踏まえつつ、最後に「あぁ、そういうコトか」と落とすのが基本となる。


100文字で心をつかめ!

ラジオCMの尺は20秒がベースで、台詞とナレーションは文字数にして約100文字。この中で、ある時、ある場面での会話でドラマを作りつつ、スポンサーの商品やサービス、ブランドに結びつける。20秒100文字で、いかにしてリスナーの心をつかめるか。100文字のドラマづくりなのである。



好物のひとつである「丸美屋『のりたま』」を例に作ってみた。

丸美屋「のりたま」ラジオCM『拷問』篇

SE:靴音。鉄格子扉の開閉。



責める男  「どうだ? 吐く気になったか」



囚われの男 「ふん」



責める男  「さて、ここに炊きたての温ったかーいご飯がある」



囚われの男 「ん?」



責める男  「そこに『のりたま』をパラ、パラ、パラ…」



囚われの男 「(前のセリフにかぶり気味で)おい!」



責める男  「あぁー、いい香りだぁ」



囚われの男 「やめろ!」



責める男  「これ、好きだったよなぁ」



囚われの男 「ひ、卑怯だぞ!」



責める男  「はっはっはっは…」





N    「究極の誘惑。丸美屋の『のりたま』」






 ※( 文 / 福 信行 )